表紙
米沢市上杉博物館 特別展「戦国京都と上杉家」
謙信に託された期待
戦国期、米沢藩上杉家の家祖である謙信や生家の長尾家と、京の将軍や天皇との関わりを示す特別展「戦国京都と上杉家」が16日から、米沢市上杉博物館で開かれる。
地方に群雄割拠する諸大名は、支配権の確立や領土拡大を目指し、将軍や天皇との関係を密にすることで権力基盤の強化を狙った。応仁の乱以降、権力失墜が顕著だった将軍や天皇も彼らに世情の静謐(せいひつ)を期待した。
謙信やその父・長尾為景も例外ではなく、特に謙信は天文22年と永禄2年の2度にわたり上洛し、時の将軍・足利義輝と後奈良天皇、正親町(おおぎまち)天皇に拝謁している。
義輝からの偏諱(へんき)を受けそれまでの名乗りの〝政虎〟を〝輝虎〟に改名したほか、正親町天皇からは鎌倉時代作の名刀で昨今は人気ゲーム「刀剣乱舞」のキャラクターで知られる「五虎退(ごこたい)」を拝領したのはその表れ。
特別展では84点を紹介、義輝が謙信に贈るため狩野永徳に発注した国宝「上杉本洛中洛外図屏風」も展示する。前期5月15日まで、後期5月21日~6月19日。詳細は0238-26-8000。