編集長インタビュー
米沢市上杉博物館 学芸員 角屋 由美子さん
角屋 由美子(すみや・ゆみこ) 1959年(昭和34年)米沢市生まれ。国学院大学文学部史学科卒業後、地元に戻り小中学校の非常勤講師などを経て米沢市上杉博物館の学芸員に。米沢藩史研究の第一人者とされ、これまでの間、越後国絵図、長尾上杉氏印章などの重要文化財指定、洛中洛外図と上杉家文書の国宝指定などに携わる。
「忠臣蔵」はあくまで演劇
米沢藩は被害者でした
――「忠臣蔵」と米沢藩との関わり、改めて解説して下さい。
固い紐帯の吉良・上杉
「米沢藩の初代藩主は上杉景勝で、2代目が定勝。その定勝の娘・三姫が吉良上野介(こうずけのすけ)に嫁ぎます。3代目は定勝の子の綱勝ですが、後継ぎのないまま急逝。存続の危機にさらされた米沢藩は上野介と三姫の間に生まれた実子を綱憲として4代目に迎え入れたのです」
「さらに綱憲の実子が吉良義周(よしちか)として上野介の跡取りになるんですね」