入れ歯③
読者の皆さんは、入れ歯の治療において「精密義歯」という言葉があるのをご存知ですか?
精密義歯とは
精密義歯とは、世界のスタンダードとも言える入れ歯作製技術を用いて作る〝フルオーダーメイドの入れ歯〟のことで、作製過程から従来の入れ歯とは全く異なるものになります。
精密義歯の作製に際しては、まず口腔(こうくう)内の状態をチェックし、噛み合わせ、顎(あご)や筋肉の動き、発音、口元のバランスなどの機能的な問題を時間をかけて何度も細かく確認しながら仕上げていきます。
審美と機能性を追求
見た目の美しさ(審美)だけでなく、よく噛めるという機能性も追求するうえで最も重要なのが噛み合わせです。
「痛い」「噛めない」「どこで噛んでいいか分からない」といった場合、多くは本来の噛む位置が狂ってしまっています。そのため本来の噛む位置を見つけ出し、それを再現していく必要がありますが、それは入れ歯治療において非常に難しいところです。
出来上がるまでには
そこで生体機能的補綴(ほてつ)システムや治療義歯によるリハビリといった考え方で治療を行っていくことが重要になります。
これにより下顎を正常な位置に誘導していき、患者さん本来の正しく噛む位置を適切に再現することで、生体調和が取れ、機能も正しく回復した精密義歯が出来上がります。
こんな方にお勧め
前回のコラムでお伝えしましたが、良い材料(生体シリコン、白金、コバルトなど)で作製された入れ歯がイコール精密義歯ではありません。
精密義歯は自費診療での作製となります。「基礎疾患があり、インプラントができない」「入れ歯の見た目が気になって自信が持てない」「入れ歯でもしっかり噛めるようになりたい」といった方にお勧めです。
南館歯科クリニック 院長
木村 正憲(きむら まさのり)
国際口腔インプラント学会認定医、日本歯周病学会、日本歯科麻酔学会、モダンエッジワイズ矯正法研修会、日本口腔インプラント学会、日本歯科顕微鏡学会、所属MACS研究会会員(磁性アタッチメント)。