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税金の基礎知識

税金の基礎知識/(03)ふるさと納税

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 総務省は8月2日、2023年度のふるさと納税の寄付額が1兆1175億円になったことを公表しました。4年連続で過去最高を更新、初めて1兆円を突破しました。

 ふるさと納税は、税制を通じて自治体に貢献することが制度の趣旨にあります。寄付の多い自治体では独自の子育て支援などで人口増に例もあるとか。ただ一方で、弊害も指摘されています。

 具体的には、大都市の自治体が地方に税収を奪われる傾向が顕著になっているほか、仲介サイトへの手数料や専任職員の人件費、返礼品の送料など事務経費が膨らみ、行政サービスに使われるべき税金が本来とは異なる形で消費されていることなどです。

 事務経費については、寄付金のうち5割以内(そのうち返礼品については地場産業のもので3割以内)に収めなければならないという一応のルールがあります。

 ただ、寄付した人に特典ポイントを付与する仲介サイトも多く、このルールも有名無実化しているケースがあるようです。このため総務省は10月から、こうした仲介サイトの利用を自治体に禁じる方針です。

 初めて1兆円を突破したふるさと納税、こうした新しいルールも理解しておきたいところです。

鈴木僚税理士事務所 税理士

鈴木 僚(すずき りょう)

1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。

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