カンジダ膣外陰炎
厳しい残暑が続くこの時期は、カンジダなどの真菌(しんきん)類(カビ)が増殖し、悪さをするようになります。
皮膚や粘膜の感染症
カンジダは皮膚や粘膜の感染症です。女性のデリケートゾーンに棲(す)みつけば「痒(かゆ)くてどうしようもない」といった症状を引き起こします。膣(ちつ)内で増殖すればポロポロとしたおりものが増え、さらに増えると黄色や緑色になることもあります。
カンジダは一度感染すると全身どこにでもうつる可能性があります。出産の時に産道から感染することもあります。柔らかい粘膜や皮膚、口唇(くちびる)や乳首や乳輪にも発症する厄介な存在です。
体力や免疫力の低下で
発症しやすいのは、夏バテや体調を崩した時や、コロナや夏風邪などで体力や免疫力が万全でない時などです。また季節の変わり目、妊娠中や月経前なども発症しやすい。糖尿病の方も繰り返し重症化し長引きます。
過去にカンジダに罹患(りかん)している方は、抗生物質やステロイドを使うとぶり返し再燃しやすいことも知られていて、こういった治療が必要な時はカンジダの塗り薬を予防的に用いることをオススメします。
掻くと長引きます
就寝中に無意識に掻いてしまったり、シャワーやトイレで洗いすぎると皮膚防御機能が弱くなった上に、カンジダでデリケートになっている皮膚が切れたりします。ゴシゴシ擦ることも回復を遅らせます。
最近では ドラッグストアでも抗真菌剤入りのソープやカンジダ向けの塗り薬や膣錠も販売されています。
診断を受けましょう
ただ、他にも痒くなる病気はたくさんあり、繰り返し長引く方は、病院で診断を受けた上で治療されると安心でしょう。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。