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喘息

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 日ごとに寒さも増してきたこの時期、喘息(ぜんそく)の患者さんが増えています。

症状が悪化するのは

 喘息とは気道に炎症が生じる病気のことで、咳、痰、息苦しさ、呼吸する時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出る「喘鳴(ぜんめい)」、胸苦しさなどの症状が現れます。

 症状は常に現れるわけではなく、風邪をひいた時、ダニやハウスダストといったアレルギー物質を吸い込んだ時、運動した時などに悪化します。

 喘息をお持ちの方でも、日々の治療をしっかり行っていれば大事には至りませんが、日々の治療を怠っていると大きな発作が起き、症状が長引いてしまいます。

治療を中断すると

 また夏は症状が安定しているという方が多く、つい治療を中断しがちになります。そうすると、知らず知らずのうちに気道の炎症が悪化し、秋から冬にかけ冷気を吸い込んだり、風邪をひいたりした後に発作を起こしてしまうことになります。

 治療で症状がなくなることが望ましく、喘息の治療の目指すべきゴールです。ただ、症状がなくなる=治って治療が不要になる、ではないのです。

医師が状態を判断

 今年10月に喘息のガイドラインが改訂され、医師が「症状が落ち着いて安定した状態(この状態を『寛解(かんかい)』といいます)」と判断するための基準が4項目設けられました。全ての項目を1年間維持した場合に「寛解」と判断されます。

症状を安定させましょう

 医師が定期的な診察をしていく中で判断しますので、自己判断で薬を減らしたり中止したりしないようにしましょう。

 症状がなくても、喘息の患者さんの気道では日々〝ボヤ〟が起きていると考えてください。毎日起きるボヤを毎日消火するために、そして寛解を目指すために、日々の治療を継続することを忘れないようにしましょう。

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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