理想と現実の隔たり
一般に男性は若く美しい女性に惹かれ、女性は経済力や将来性のある男性に惹かれるとされますが、すべての男女が理想の相手と結婚できるわけではなさそうです。
肉体的魅力が高いと…。
米アリゾナ州立大のケンリック教授は、大学生の男女235人を対象に肉体的魅力を10段階にランク付けさせました。高点数の男女は自分が平均的な若者より多くの出会いの機会があることを自覚しており、パートナー選びが慎重になる傾向がありました。
平均的な男女は他人から飛びぬけて魅力があるわけでないことを自覚し、自分と同レベルのパートナーを選ぶ傾向がありました。
経済力があると…。
米コーネル大の研究チームは、経済力、社会的地位、健康などパートナー選びに重要な10項を選んでランク付けし、大学生の男女978人を対象に相手に求める点数と自分自身の点数をつけてもらいました。
自己評価の高い人は相手にも高い点数を求め、自己評価の低い人は相手にもあまり高い点数を求めませんでした。この傾向は男女ともに同様でしたが、女性の方が男性よりも相手に高い点数を要求していました。
収入や資産が多く社会的地位の高い男性は肉体的魅力のある女性を好み、肉体的な魅力のある女性は収入や資産が多く社会的地位の高い男性を好む傾向がありました。
「割れ鍋に綴（と）じ蓋（ぶた）」
私たちは配偶者市場における自分の価値と相手の価値を見比べ、自分の価値に見合った相手を最終的に選んでいます。
自分自身の価値からあまりに相手の価値がかけ離れた結婚もありますが、長く続かない可能性が大きくなります。
妥協も必要か
結婚がすべてではないものの、結婚相手を確実に見つけるには妥協も必要なのかもしれません。
山形徳洲会病院院長
笹川 五十次（ささがわ いそじ）
1982年 富山医科薬科大学（現富山大学）医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。
