ストーカー
ストーカーとは、ひそかな追跡や忍び寄りを意味する「ストーキング」を行う人物をいいます。その行動や心理的特徴において、男女で異なる特徴があるとされます。
執着心が強い男性
男性ストーカーの特徴は、対象者に対する執着が強いあまり相手に拒否されても簡単にあきらめません。支配欲も強く、頻繁(ひんぱん)なメール、自宅や勤務先への付きまとい、交友関係の監視などに走ります。対象となる女性を理想化し、妄想(もうそう)を抱きやすい傾向があります。
他人の感情や立場を理解することが困難で、自己中心的な考えを持ちます。自分の行為が対象者に迷惑をかけているという認識がなく、自らの行為を正当化します。
依存性が強い女性

女性ストーカーは、強い依存性を持つ特徴があります。対象者への感情が非常に激しく、愛情が拒絶されると憎しみに変わる傾向があります。頻繁なメール、自宅や勤務先への付きまとい、関係修復を迫る脅迫まがいの言動、同性のライバルへの誹謗(ひぼう )中傷などを行います。嫉妬(しっと)深く妄想を抱きやすいため、対象となる男性が他の女性と交流しているだけで嫉妬に駆られ、関係を壊そうとします。
女性は迷惑を顧みず?
また女性は自分が被害者で、対象の男性が自分を不当に扱っていると信じ込みがちです。
対人関係において相手との適切な距離感や境界線を理解できないことが多く、好意とストーカー行為の区別ができず、相手に迷惑をかけているという認識もありません。
対策につなげましょう
ストーカー行為は決して許されるものではありません。ストーカーの心理と行動パターンを理解することで被害を防ぐための対策につなげることが重要です。

山形徳洲会病院院長
笹川 五十次(ささがわ いそじ)
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。
