悲運の提督/「判官びいき」の系譜
「判官びいき」の系譜/最上 義光:第3回
人物像ゆがめた山形市史
1970年代に刊行された「山形市史」は自治体が編纂(へんさん)する公的な地域史である。
その中で最上義光に対して〝強引にして不遜(ふそん)な態度〟〝残忍とも言える態度〟といった表現が使われていることを、義光研究の第一人者である故片桐繁雄氏が指摘している。武勇ばかりか〝謀略(ぼうりゃく)〟にも長じていたとか、豊臣秀吉や徳川家康に対して〝追従(ついしょう)外交〟を行ったという記述もある。