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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》 第八十七回 長崎屋天童店

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 かつて山形市七日町には大沼デパート、丸久、緑屋などの百貨店、大型スーパーのジャスコなどがひしめき合っていた。そんな過当競争から逃れようと、長崎屋が新天地を求めて昭和55年、当時大店舗のなかった天童に移転した。

《セピア色の風景帖》 第八十七回 長崎屋天童店

 山形まで足を伸ばす必要がなくなったと天童市民に大いに歓迎されたほか、村山、東根など天童以北の買い物客も集めて一時は活況を呈した。
 品ぞろえの充実ぶりに加え遊戯施設も充実していたため、特に子ども連れ家族には人気った。

 だが時が流れ、郊外に軸足を移したジャスコが東根や山形北に進出すると長崎屋は挟撃される形に。同じ天童にも商業地区「ららパーク」が現れ苦戦は決定的になる。
 長崎屋の本体の経営も傾いたため惜しまれつつも平成14年2月、天童店は営業を終了した。

《セピア色の風景帖》 第八十七回 長崎屋天童店

 あれほど市民に親しまれた長崎屋ではあったが、閉店して不便になったという声があまり聞かれないのは寂しいことであった。 (F)

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