セピア色の風景帖
《セピア色の風景帖》 第五十回 十字屋屋上
今ではデパートの屋上で遊戯施設を見ることはなくなったが、JR山形駅前の十字屋には1980年代中ごろまで残っていた(写真はすべて84年)。コンピュータゲームがまだ山形では普及していなかったこともあり、ゲーム場に置いてある機種は電子に支配される前のほのぼのとした雰囲気を感じさせるものが多かった。
全国でブームを引き起こしたモグラたたきなどは単なるゲームにとどまらず、「いくらやってもきりがない」という意味に使われる慣用句にまでなった。
力を使う体感的な機種が多かったようだが、間もなくインベーダーゲームをはじめとする電子ゲームの時代が訪れるとデパート屋上の遊戯施設はすたれていった。(F)