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荒井幸博のシネマつれづれ

ランボー ラスト・ブラッド

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文字通り最後のランボーか

 「ロッキー」と並ぶシルヴェスター・スタローンの代表作「ランボー」のシリーズ5作目「ラスト・ブラッド」が26日から公開される。

<荒井幸博のシネマつれづれ> ランボー ラスト・ブラッド

 グリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊)の戦闘エリートとしてベトナム戦争などで活躍した退役軍人のランボーも今は老い、過酷な戦場体験から重いPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいる。


 それでも故郷のアリゾナで牧場を営み、古い友人のマリアと彼女の孫娘ガブリエラと平穏な暮らしを送っていた。一緒に乗馬を楽しめるガブリエラはランボーにとって娘同然の存在だった。

 そんなある日、ガブリエラが幼なじみの陰謀でメキシコの人身売買組織に拉致されてしまう。彼女がヘロイン漬けにされ、売春宿に売られたことを知ったランボーの怒りは頂点に達し、組織から彼女を奪還しようとするが、逆に捕らえられて凄惨なリンチに遭う。


 果たしてランボーはガブリエラを救出し、組織を壊滅させることができるのか――。

 「ランボー」1作目が公開されたのは1982年。2作目が85年、3作目が88年と3年ごとに公開されたが、4作目が公開されたのは3作目から実に20年後の2008年。タイトルは「ランボー/最後の戦場」で、文字通り、これがシリーズの最後だと誰もが思ったはずだ。


 それが12年後にシリーズとして帰ってきたことが嬉しい。1作目から実に38年。1作目当時は35歳で、ムキムキ、キレキレ逆三角形の肉体を誇っていたスタローンも今や73歳(7月6日で74歳!)。隆々たる筋肉は保ってはいるものの老いからの衰えは隠せないが、38年前と変わらぬフォームで弓を射る姿勢の美しさは健在で、喝采を送りたい。


 過去のシリーズで“好戦的”に描かれてきたランボーだが、PTSDを抱えるほど戦うことを厭がっていたが、戦わざるを得ない状況に追い込まれてしまう。愛する者のために戦う老ランボーの知恵とスキルを活かした最後の戦いは見もの!

 

シネマパーソナリティー

荒井あらい 幸博 ゆきひろ

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。


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