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早漏の危険因子

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 早漏(そうろう)は、「挿入(そうにゅう)後1分以内に射精してしまうこと」、あるいは「満足ができる時間まで挿入時間がコントロールできないこと」と定義されています。男性の約3分の1が早漏といわれています。

先天性と後天性

 早漏には、初めて性行為をした時から早漏だった先天性早漏(終生早漏)と、初めて行為をして一定期間は早漏ではなかったものの、その後に早漏になった後天性早漏に分けられます。

 後天性早漏の原因としては、長期禁欲期間、過度の性的興奮、加齢、疲労、勃起(ぼっき)不全、精神的不安などがあります。

亀頭体積に左右?

 トルコの研究チームは2024年、先天性早漏20人、後天性早漏50人、健常者70人を対象に膣(ちつ)内射精潜伏時間、陰茎(いんけい)の長さ、周囲長、陰茎亀頭体積などを比較しました。

 射精潜伏時間の中央値は先天性早漏群0.5分、後天性早漏群2分、対照群7分でした。陰茎長や周囲長は3群間で大差ありませんでしたが、亀頭体積は先天性早漏群14.1立方ミリメートル、後天性早漏群11.7立方ミリメートル、対照群11.4立方ミリメートルで、12.65立方ミリメートル以上で先天性早漏になる傾向がみられました。

 どうやら亀頭体積が大きいほど早漏になりやすいようです。

勤務体系で調べると

 中国の研究チームが非交代勤務者840人、交代勤務者251人、交代勤務睡眠障害者148人を対象に調べたところ、交代勤務者の早漏リスクは非交代勤務者と比べ1.58倍、交代勤務睡眠障害者では2.86倍でした。

 また非交代勤務者と比べ交代勤務年数が1~3年で1.45倍、3年超で1.93倍、それぞれ早漏のリスクが高くなることが分かりました。

睡眠時間も影響?

 1日の睡眠時間が6時間未満で1.66倍リスクが高く、睡眠不足や交代勤務が早漏のリスクとなることが分かりました。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

山形徳洲会病院

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