歯は一生のパートナー
「噛む」ことの大切さ
皆さんがふだん無意識に行っている「噛む」という行為は、全身を活性化させ健康な身体を維持するためにとても重要な働きをしています。
噛むことの働きとは
噛むことの働きは次のようなものです。
- 消化酵素の分泌を促し、胃腸の働きを促進する。
- 唾液の抗菌作用により虫歯、歯周病、口臭を予防する。
- 満腹中枢が刺激され、食べ過ぎによる肥満を防止する。
- 脳への血流量が増加し、脳の働きを活性化する。
- 全身の神経が刺激されることで体力が向上する。
- 噛むことで味覚が発達する。
- 唾液に含まれる酵素ががんを予防する。
8020運動
日本は世界に冠たる長寿大国ですが、歯の寿命はといえば残念ながらまだまだ。厚生労働省の調査によれば歯の平均寿命は約50~65年とされます。
自分の歯が20本残っていればよく噛めるとされ、厚労省と日本歯科医師会では「8020(ハチマルニマル)運動」を展開しています。これは文字通り「80歳になっても20本以上、自分の歯を保ちましょう」という運動です。
認知症の予防
すでに、ご自身の歯を失ってしまっている方も、放置せず必要な処置を受けましょう。
例えば、入れ歯を入れている時は歩行が安定しているのに、外すとつまずきやすくなるとの報告もあります。自分に合った入れ歯を入れることでふんばりがきき、転倒予防につながるのです。
また最近の研究では、歯がなく、噛める治療(入れ歯、ブリッジ、インプラントなど)をしていない人ほど認知症になりやすい傾向があることが分かっています。
よく噛みましょう
一番大切なことは「よく噛む」ことです。食事を楽しんで健康維持ができるよう、噛む回数を増やしましょう。
南館歯科クリニック 院長
木村 正憲(きむら まさのり)
国際口腔インプラント学会認定医、日本歯周病学会、日本歯科麻酔学会、モダンエッジワイズ矯正法研修会、日本口腔インプラント学会、日本歯科顕微鏡学会、所属MACS研究会会員(磁性アタッチメント)。