悪玉コレステロール
健康診断で、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が120~139なら「要注意」、140以上なら「高コレステロール血症」と診断されます。
ご存知のように、血中でLDLコレステロール濃度が高まると動脈硬化のリスクが高まります。では、高コレステロール血症はどうしたら予防できるのでしょうか。
ガイドラインの目標値
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、その人を①性別②血圧③血糖値異常の有無④LDLコレステロール値⑤HDLコレステロール(善玉コレステロール)値⑥喫煙の有無――などでポイント分けし、10年後のリスクを予測します。
そして発病の可能性が2%未満なら「低」、2%以上10%未満なら「中」、10%以上なら「高」とリスク判定し、LDLコレステロール値の目標をそれぞれ160、140、120未満とすることを提唱しています。
低リスクなら一安心
ですから、LDLコレステロールが150の人でも判定が低リスクなら一安心。といっても治療が不要ということではなく、栄養バランスのとれた食事や適度な運動を心がけましょう。
また中リスクでも若い人ならLDLコレステロール150でも内服治療をお勧めすることはありません。食事や運動で下がる可能性もありますから。
内服治療を巡り
内服治療に関してはこちら側と患者さんの側とで認識の差を感じる時もあります。患者さんから良く聞かれるのが「一生飲まなくてはいけないのでしょう?」という言葉です。
こちら側とすれば「内服で将来のリスクを減らせるのだから、早めに治療を始めた方がいいですよ」という思いなのですが、患者さんからすれば「これから薬に縛られる生活が毎日続くのか」といった感じなのでしょうか。悩むところではあります。
きくち内科医院 院長
菊地 義文(きくち よしふみ)
1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。