大人の目
加齢に伴い目の機能が低下した状態がアイフレイルです。「目が疲れやすい」「まぶしく感じる」「夕方になると見にくい」など、ちょっとした症状がサインです。
アイフレイルと老眼
アイフレイルは「健康」と「病気」の間の状態で、その先には病気やトラブルが待ち受けています。大人の目で多い病気・トラブルで、誰もが避けて通れないのが老眼です。老眼はピントを合わせる力が低下し、近くが見にくい状態です。
低下していくスピードは同じですが、その人が近視なのか遠視なのかで自覚する時期は異なります。近視の人は眼鏡を外すと近くが見えるため、不自由を感じるのが遅くなりがちです。
逆に、若いころは眼鏡なしでよく見えた人(多くは〝隠れ遠視〟です)は老眼の自覚は早くなる傾向にあります。
スマートフォンを離してみないと見にくくなったら老眼のサインです。
目に2つの変化
加齢に伴う目の異常には、機能的変化と構造的変化があります。前者には調節力低下やコントラスト感度低下など見え方の質に影響するもの、涙の分泌低下などドライアイの原因になるものがあります。
後者には白内障の原因になる水晶体混濁(こんだく)や、緑内障の原因になる網膜(もうまく)神経細胞減少などがあります。
白内障と緑内障
白内障、緑内障は大人の目の病気の代表です。白内障は手術で視力の回復が可能ですが、緑内障は神経が減る病気なので手術による視力回復は難しく早期発見・早期治療そしてなにより治療の継続が大切です。
眼底検査は緑内障や加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)などの大人の目の病気の発見のためにも大切な検査です。40歳を過ぎたら健診で眼底検査を受けるようにしましょう。
金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳(たかはし よしのり)
1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。