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感染症対策

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 今年は10月に入っても日中の気温が30度近い日がありましたが、そろそろ冷え込みを感じる季節です。この時期になると増えてくるのが風邪やインフルエンザに代表される感染症です。

マスク着用、手指の消毒

 感染症にかからないようにするにはどんなことに気をつければいいのでしょうか。

 感染症対策の基本は、まずは感染経路を遮断することです。具体的にはマスクの着用、手指の消毒、感染者との生活空間を分けることなどです。

 次に病原体を排除すること。流水で手を洗う、手指やドアノブなどのアルコール消毒などを忘れないようにしましょう。

 そして最も大切なのは、日ごろから体の抵抗力を高めておくことです。そのためには十分な栄養を摂る、睡眠をしっかりとる、疲れをためない、適度な運動などが必要です。

大切な栄養補給

 特に栄養は大切です。体には本来、外界から侵入する病原体と戦う免疫機能が備わっていますが、免疫機構が正常に作動するためには食事から摂取する栄養素が欠かせません。

 ただ、「○○を摂れば大丈夫」という魔法のような食べ物はありません。炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン類などをまんべんなく摂取しましょう。

冷えには注意を

 また「体が冷えると風邪をひきやすくなる」と言われますが、これには科学的根拠があります。体温が1度下がると、免疫機能の働きが約30%落ちてしまうことが分かっています。

 気温差が大きい今の時期は、体温調整できるように脱ぎ着できる上着などで調整しましょう。

治療より予防

 病気にかかってから治療するより、かからないよう予防することの方が重要で、かつ楽です。感染症に負けない体づくりに努めましょう。

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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