プレコンセプションケア(上)
世界保健機関(WHO)が提唱している「プレコンセプションケア」という取り組みをご存知でしょうか?
妊娠前に取り組みを
プレコンセプションケアとは妊娠(コンセプション)の前(プレ)のケアという意味で、将来の妊娠・出産に備え、女性やカップルが若いうちから健康に向き合うことを促す取り組みです。
病院での検査や診察だけでなく、医師や各分野の専門家による食生活、生活習慣の指導なども含まれます。男女の心と身体に気を配り、性教育を含めた基本的な健康の知識を身につけ、健やかな妊娠・出産、そして次世代の子ども達の健康まで見据えることを目標にしています。
病気も早めに治療を
月経不順や月経痛の方は、将来の病気につながらないためにも、また別な病気が隠れていないかを知るためにも診察してもらうことが大切です。
糖尿病や甲状腺疾患、その他の持病のある方は、妊娠すると症状が悪くなる病気なのか、薬も妊娠してもそのまま続けられるのか確認しておくと安心でしょう。子宮頸がんなどの健康診断も忘れずに。
胎児への悪影響を考え
予防できる病気は防ぎたいもの。風疹は妊娠中お母さんがかかってしまうと、赤ちゃんが先天性風疹症候群に感染し、難聴、心疾患(しんしっかん)などを発症することがあります。
水疱瘡(みずぼうそう)やおたふく風邪、はしか(麻疹)も流早産の増加や、妊娠中の感染で先天性水痘症(すいとうしょう)候群などになることも。
子宮や卵巣を守るために子宮頸がんワクチンも欠かせないでしょう。
大切な健康管理
妊娠前の生活の積み重ねや病気の管理が、出産や赤ちゃんの生後の健康にまで影響することをどうかお忘れなく。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。