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健康講座・医学のうんちく

陰茎折症

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 哺乳類の大半は陰茎の内部に棒状の軟骨性の骨がありますが、人間にはありません。ですが、勃起した陰茎に強い衝撃が加わると折れてしまうことがあります。

陰茎が折れる!

 これを「陰茎折症」といいます。通常の陰茎海綿体白膜はかなりの内圧まで耐えられますが、勃起時には薄くなるため、外力に弱くなり、白膜の破裂が発生します。

 海綿体内に蓄えられていた血液が陰茎皮下に流出して陰茎は青く腫れ上がり、陰茎が折れ曲がった状態になることもあります。

ED治療薬で高齢者も

 2003年の神戸大の報告では、陰茎折症は性活動が盛んな20・30・40歳代の順に多く発症し、この3世代で81.0%を占めていました。

 ところが13年の横浜市立大の報告では、40~60歳代の割合が44.6%を占めるまで増加しています。ED治療薬の登場が影響していると考えられています。

後背位は危険?

 トルコの研究チームが今年、陰茎折症と診断された男性47人(平均年齢39.6歳)を対象に調査したところ、35人(74.5%)は性交中に発症していました。その時の体位はというと、後背位14人(29.85%)、正常位10人(21.3%)、騎乗位8人(17.0%)の順でした。

 自慰の際の発症は5人(10.6%)、外傷による発症は2人(4.3%)でした。

多いのは「根元」

 発症までの平均性交時間は18.4分。性行中の発症部位は根部が多く、痩せ気味の男性に多い傾向がありました。

 また、性交回数が多いほど、年齢が上にいけばいくほど発症率が高まることが分かりました。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

山形徳洲会病院

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