真理子先生の女性のミカタ
プレコンセプションケア(下)
世界保健機関(WHO)が提唱する「プレコンセプションケア」は、将来の妊娠・出産に備え女性やカップルが若いうちから健康に向き合うことを促す取り組みです。
バランスの良い食事を
プレコンセプションで生活を見直すことは健康寿命を延ばすことにもつながります。
食生活はバランス良く摂り、体格指数(BMI)は18.5以上、25未満の適正体重を目指しましょう。ただ過度のダイエットで痩せすぎるのはよくありません。特に女性は胎児の神経系の病気を予防する葉酸や、カルシウム、タンパク質、食物繊維などの摂取を心がけましょう。
病気は事前に検査を
ストレスをため込まないことも大切で、そのために気分転換ができる習慣を身につけましょう。適度な運動や質の高い睡眠で神経を休めるのはお勧めです。
性感染症やB型肝炎、C型肝炎、HIVなどもカップルで検査して治療や予防に努めましょう。女性は月経に違和感があれば早めに診てもらうことを忘れずに。
タバコやお酒は控えて
タバコは不妊、流・早産、低出生体重児などにつながりかねず、受動喫煙の心配もあります。カップルで妊娠前から禁煙しておけば、妊娠がわかった時点で慌(あわ)てなくて済みます。
妊娠中のアルコール摂取も、その量に関わらず「胎児アルコール症候群」の原因になり、様々な先天性の障害が起こることがあります。妊娠がわかった時点で飲酒は避けた方が賢明です。
健康な生活を目指して
知らないことは怖いことです。プレコンセプションケアは一生涯の健康のために。また妊娠出産を含めて、次世代の子ども達の未来の健康につなげましょう。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。