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子どもの頭痛(下)
東京都医師会は2011年、東京都多摩市の小中学生約1万人を対象に1年間にわたって「頭痛実態調査」を実施しました。
多摩市で頭痛実態調査
その結果、片頭痛患者の35%、慢性緊張型頭痛患者の30%が頭痛のため、年間5日以上、学校を欠席していることが分かりました。欠席理由で慢性緊張型頭痛は発熱を上回っていました。
また頭痛が勉強や日常生活に及ぼす影響については、慢性緊張型頭痛の82.5%、片頭痛の66.6%が頭痛によって快適な学校生活を過ごせていない実態が明らかになりました。
片頭痛と緊張型頭痛
片頭痛は最長で72時間持続する頭痛で、頭痛がある日と頭痛がない日がハッキリしているのが特徴です。1カ月に2~5日は頭痛があるものの、頭痛がない日は元気に過ごせます。
一方、緊張型頭痛の特徴は、毎日のように頭痛が起きる、頭痛がいつ始まっていつ終わるか境界がハッキリしない場合が多いところです。
十分な睡眠と生活リズム
ひと昔前と違い、現在の小中学生は学校での授業に加え、塾などの習い事や部活・スポーツに熱を入れるケースが多いとされています。
一見すれば健康そうでも、成長過程のオーバーワークはともすればストレスを招き、頭痛を発症する頻度は間違いなく増加しているはずです。
より良い学校生活を過ごせるように、十分な睡眠や規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。
専門医に相談も
生活習慣を見直しても、頭痛が続く、学校を休む、鎮痛剤が効かないといった症状があれば専門医に相談しましょう。不登校になっている場合は児童精神科の受診も検討してみてください。
TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。