山形コミュニティ新聞WEB版

健康講座・医学のうんちく

性行動の男女差

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 生物学的なオスとメスの区別は単純で、精子を作るのがオス、卵子を作るのがメスです。精子と卵子の違いがヒトの男女の性行動の違いと密接に関係します。

精子の特性

 精子は栄養が少ないので子の生存率には貢献しませんが、移動性に富むため卵子と出会う確率は高くなります。また、男性は一度にたくさんの卵子を受精させるだけの精子を作ることができます。

 つまり多くの女性と関係を持てば持つほどたくさんの子を作り、自分の遺伝子を残すことができます。そのためできるだけ多くの女性と関係を持とうと試みるのです。

卵子の特性

 一方、卵子は移動性に乏しく、精子とは出会いにくいものの、栄養を豊富に含んでいるため子の生存率には貢献します。ただ栄養に富む卵子を作るには大きなエネルギーが必要で、一度に多く作ることはできません。

 女性がたくさんの男性と関係を持ったとしても、できる子の数は自分が作る卵子の数より多くなることはありません。

 そのうえ、一度妊娠すると出産や子育てのため次の妊娠まで時間が必要になり、一生のうちに産める子の数には限りがあります。

女性の求める男性像

 女性が、数少ない卵子ができるだけ生き延びることができるよう、良い遺伝子が伝えられるような健康で優秀な男性や、子どもが育っていくのに必要な財力を多く持った男性を求めるのはこのためです。

男性が求める「数」

 古今東西、異性に求めるものといえば、男性は「数」、女性は「質」とされます。男性が浮気っぽく、女性が男性をえり好みするのは、精子と卵子の違いに起因しているようです。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

山形徳洲会病院

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