更年期(1)
ご存知のように、女性は女性ホルモン(エストロゲン)の働きによって身体の特徴が作られていきます。ホルモンが増えて二次性徴の特徴が現れる時期が思春期、逆にホルモンが減って精神や身体が揺らぐ時期が更年期です。
一般的には更年期とは閉経を挟んでの前後10年と言われています。ただ閉経には個人差もあり、平均は50歳前後ですが、40歳ごろだったり、逆に60歳近くになる方もいらっしゃいます。
ホルモンがアップダウン
更年期は全ての女性が迎える節目で、この時期は急激なホルモンのアップダウンにより脳が混乱し、身体や心の揺らぎを生じます。その象徴が閉経であり、揺らぎが心身の様々な不調な変化をもたらすのが更年期の始まりです。
不調があまりにも辛く、日常生活にも差し障りをきたしてしまうのが「更年期障害」です。
人生の大切な時期に
ストレスをため込まないことも大切で、そのために気分転換ができる習慣を身につけましょう。適度な運動や質の高い睡眠で神経を休めるのはお勧めです。
性感染症やB型肝炎、C型肝炎、HIVなどもカップルで検査して治療や予防に努めましょう。女性は月経に違和感があれば早めに診てもらうことを忘れずに。
タバコやお酒は控えて
女性にとってこの時期は、人生の中でも慌ただしい生活をされているはず。働いている方でしたら責任のある仕事を任されているかもしれません。その一方、家庭では将来のことや家族のことなどもあり、さながら1人で何役も演じる役者さんのよう。ストレスがかからないはずはありません。
そのうえ、さらにホルモンも激変しては心身の混乱をきたすばかりでしょう。
具体的な症状は
それまで心身のバランスを保つことに役立っていたホルモンが減少していくとどのような変化や症状が現れるのでしょうか?次回からはそれらを具体的にお話ししていきたいと思います。
更年期の不調と上手に向き合い、快適に過ごすために、まずは更年期に現れる症状を良く知りましょう。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。