頭痛の日
日本頭痛学会、日本頭痛協会は毎年2月22日を「頭痛の日」と定めています。頭痛患者さんが適切な理解とサポートを受けられるよう、学会などでは様々な啓発活動に取り組んでいます。
頭痛は疾患です
頭痛は「症状」ではなく「疾患」で、日本人の8割までが生涯で経験するありふれた疾患です。
その原因や種類は多岐にわたり、時には深刻な健康問題の兆候となることもあります。特に片頭痛は日常生活に支障をきたす疾患としては腰痛に次いで2位ですが、目に見えるわけでもなく、高血圧や糖尿病のように数値では測れません。
気になる周囲の視線
実際、約1万7000人の片頭痛患者を対象とした調査では、1人で抱え込み我慢する〝ワンオペ頭痛〟の実態が明らかになっています。
痛みや支障が周囲の人には分からないため、患者さんは疾患のつらさに加え、周囲の冷たい(?)視線を気にせざるを得ないという悩みを抱えているのが実情です。
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大切な予防治療
患者さんに訴えたいのは、正しい診断と治療を受け、快適な日常生活を取り戻すことです。前回お話ししたように、多くの人が頭痛に対して鎮痛剤だけに頼っており、予防療法の普及はアメリカの半分程度にとどまっています。
日本を含め先進国のガイドラインでは、片頭痛が月6日以上ある人は予防療法を開始する目安になっています。
慢性化させないために
今や頭痛は予防療法が主体の時代。片頭痛の回数や頭痛の強さは変わりやすく、その時々の状態に合わせて適切な片頭痛の予防や治療などの対策を行い、慢性化を予防することが大切です。
頭痛にお悩みの方は頭痛専門医を受診し、健康な毎日を取り戻しましょう。
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TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。
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