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どうしました?内科

それってアレルギー?①

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 やまコミ読者の皆様、初めまして。今回から始める拙コラムでは、幅広い疾患に対応する総合内科医の立場から、皆様の興味を引きそうな話題を綴っていくつもりです。

ヒスタミン中毒

 さて、まずは一見するとアレルギーのような症状で、その実、アレルギーとは異なるいくつかの症状を紹介します。代表的なものが「ヒスタミン中毒」です。

 「魚を食べてじんましんが出たことがある。自分は魚アレルギー」という方の多くは、実はヒスタミン中毒だったというケースが多いものです。

加熱しても死滅せず

 マグロやカツオ、サバなどの赤身魚には「ヒスチジン」というアミノ酸が含まれています。これら赤身魚の鮮度が落ち、細菌の作用で「ヒスタミン」に変化すると、さあ大変。これらを摂取するとヒスタミン中毒にかかってしまいます。

 寄生虫なら加熱処理すれば死滅しますが、ヒスタミンは加熱しても生き残るから厄介です。ツナ缶など加工されたものでも、開封後の保存方法によっては中毒を引き起こすことがあります。

頻回の頭痛が特徴

 症状ですが、食後30分以内に顔のほてり、じんましん、動悸、頭痛、下痢、嘔吐などアレルギーと同じような症状が現れます。

 ただ頭痛を呈する頻度が高いことがアレルギーとは異なるところ。ヒスタミンには血管を拡張させる作用があり、片頭痛と同じような機序で頭痛を起こすと考えられています。

経過や症状から診断

 診断は検査で分かる病気ではないため、経過や症状から総合的に判断することになります。

 魚アレルギーだと思って魚の摂取を控えている方は、一度病院に相談されてはどうでしょう。

十日町ようへい内科クリニック 院長

中本 洋平(なかもと ようへい)

1978年(昭和53年)、岩手県盛岡市生まれ。新潟大学医学部を卒業後、新潟市民病院などで内科医として研鑽を積む。2024年10月に十日町ようへい内科クリニックを開業。総合内科専門医、感染症専門医、Japanese Medical Emergency Care Course(JMECC)インストラクター。

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