アイフレイル
最近、テレビやラジオで、皆さんもご存知の童謡「かえるの合唱」の替え歌で「アイフレイルは目のサインだよ~」というフレーズを耳にされたことはありませんか?
このCMは日本眼科医会が提唱する「アイフレイル啓発」がACジャパンの2024年度支援キャンペーンに選ばれたことで放送されているもので、6月末まで流れる予定です。
病気の一歩手前の状態
前置きが長くなりましたが、アイフレイルとは目の病気の一歩手前の状態です。もう少し詳しく言えば、加齢によって目が衰えたところに、様々なストレスが加わることによって目の機能が低下した状態のことです。
目の機能が低下してしまうと自律機能が失われ、日常生活に支障が出ることで健康寿命が損なわれてしまいます。
目に加わるストレス

老いた目に加わるストレスには外からのものと内からのものがあります。
外からのストレスの代表は紫外線暴露や薬剤などです。内からのストレスには遺伝、糖尿病や高血圧などの疾患、目の構造的脆弱性としての強度近視などがあります。
これまで何度かご紹介したように、強度近視は緑内障や黄斑変性、網膜剥離などの危険因子です。放っておくと緑内障などのリスクが上がるので注意が必要です。
自覚症状を感じたら
「最近、目が疲れやすくなった」「眼鏡をかけても見にくい」「段差や階段で危ないと感じたことがある」「信号や道路標識を見落とした」といった症状を感じたことはありませんか? それはアイフレイルのサインかもしれません。
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人生100年時代。QOL(生活の質)を維持するためにも目は大切です。心当たりのある方はお近くの眼科医に相談してください。

金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳(たかはし よしのり)
1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
