真理子先生の女性のミカタ
更年期(4)
「最近、何となくお肌の潤いやツヤハリ感が減ってきて…」というのも更年期に実感する症状の一つです。
肌のツヤが失われ
皮膚の変化には女性ホルモンが関係しています。更年期に入ってエストロゲンの分泌が減ると新しい細胞を作り出す皮膚の新陳代謝が活発でなくなります。またコラーゲンも減少する結果、肌の弾力も衰えていきます。
こうした「年齢肌」に対応した様々なサプリメントや化粧品も登場していますが、心がけていただきたいのは、なるべく紫外線を避けること、それと入浴に時間をかけ、肌の保湿や新陳代謝を高めることです。

増えやすくなる体重
「食生活は以前と変わらないのに体重が増えて…」という方もいらっしゃいます。
実は、女性ホルモンには中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす働きもあるのです。女性ホルモンが減ると太りやすくなるのはこのためです。ですので食事はバランスを考えて摂るようにしましょう。
血圧も高めに
中性脂肪や悪玉コレステロールが増えると、高脂血症になりがちです。保たれていた血管のしなやかさが失われて動脈硬化に進行します。糖尿病などの疾患はさらに後押しします。
血圧が高くなるのはこうした連鎖によるもので、自覚症状のない「サイレントキラー」として狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などにつながりかねません。
こまめにチェックを
見えない変化は気づきにくいものですが、「そろそろ更年期かしら?」とお感じになっている方は、定期的な健康診断はもちろん、ご自身の体重と血圧をこまめに測るようにしましょう。

真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
