山形コミュニティ新聞WEB版

乳腺外来の現場から

乳がん検診

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 今回は乳がんの早期発見につながる乳がん検診についてのお話です。

マンモグラフィが主流

 乳がん検診といえば「マンモグラフィ」が思い浮かぶのではないでしょうか。他の検査法としては「視診・触診」「超音波検査」「CT・MRI」などがありますが、40歳以上に限っては死亡率の減少効果が科学的に証明されている検査法はマンモだけです。

 マンモは米国で1970年代に登場、日本では2000年に導入されました。この時間差をみても明らかなように、米国では乳がん検診の受診率が70~80%なのに対し、日本では50%未満です。

受診率の日米差

 受診率の高い米国では、1975年から2019年までの間に乳がんの死亡率が58%低下しています。検診を定期的に受ければ乳がんを早期に発見でき、早期治療につなげれば当然ながら死亡率は低下します。

 これに対して日本では、10年ほど前からようやく少し死亡率の低下がみられるようになってきている程度です。

検診のススメ

 乳がん検診が推奨される年齢で、この記事をお読みいただいた方の中に「一度も乳がん検診を受けたことがない」「しばらく乳がん検診を受けていない」という方がいらっしゃるのであれば、ぜひ検診を受けていただきたいと思います。

 もちろん30代など若い年齢でも乳がんに罹患してしまう方もいらっしゃいます。若い方でもご自身の乳房に気になるようなところがあれば、検診でなくとも一度医療機関で診察してもらうことをお勧めします。

お忘れなく

 繰り返しになりますが、乳がんの死亡リスクを軽減できるのは早期の発見で、早期発見につなげるために乳がん検診は大切です。

 このことをどうかお忘れなく

うるしやまクリニック院長 院長

尾形 貴史(おがた・たかし)

2007年山形大学医学部卒業。同大付属病院、公立置賜総合病院、山形済生病院などを経て現職。日本乳癌学会乳腺認定医。2025年2月に「うるしやまクリニック」開院。

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