山形コミュニティ新聞WEB版

あなたの目 健康ですか?

近視調査から

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 近視の子どもが増えています。家庭だけでなく、学校でもデジタル機器の画面を見つめる時間が増えていることが原因とみられています。

学校保健統計調査

 文部科学省の2024年度の「学校保健統計調査」によると、裸眼視力1.0未満の比率は小学生36.84%、中学生60.61%、高校生71.06%で、コロナ禍の影響で調査時期が異なる20~23年度を除けばいずれも過去最多でした。

 視力1.0未満を学年別に見ると、小1の23.96%から学年が上がるにつれて増え、小6は49.43%、中3は63.55%でした。

近視実態調査

 文科省はまた、21~23年度にかけて9都道府県の29校の小学生を対象に「近視実態調査」を行っています。この調査では、屋外で過ごす時間が長い児童生徒は短い児童生徒に比べ視力低下のリスクが低いことも分かりました。

 また視力低下や近視発症の予防には、パソコンやタブレット端末、読書など長時間の作業に気を付けることが重要であることが示唆されました。

近視、世界的に増加

 世界的にも近視は増加しています。オーストラリアの研究チームが16年に公表した予測によれば、近視者の数は50年には約48億人と全人口の半数を占めるとか。

 世界保健機関(WHO)の眼科部門の担当者も「近視は21世紀における公衆衛生上の重大な問題」と警鐘(けいしょう)を鳴らしています。

向き合い方が課題に

 近視はこれまでは「仕方がない」「眼鏡やコンタクトで矯正(きょうせい)できる」と片付けられてきましたが、緑内障など目の病気のリスクも高まります。

 私たちは、まん延する近視にどう向き合うかを問われてるようです。

金井たかはし眼科 院長

高橋 義徳(たかはし よしのり)

1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。

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