秋のお彼岸特集
まだまだ残暑が厳しい時期ですが、まもなく秋のお彼岸がやってきます。
故人や先祖を想う大切な行事です。「お彼岸」を通じて日本文化を感じてみてはいかがでしょう。
秋彼岸って?
8月のお盆が終わると、9月にはお彼岸がやってきます。彼岸は彼岸会(ひがんえ)ともいい、春分の日、秋分の日を中心に前後3日、合わせて7日間をいいます。この期間に先祖供養を行うわけですが、単に「彼岸」というと春の彼岸をいい、秋の彼岸は「秋彼岸」といいます。
お盆のように決まった行事や飾りつけはありませんが、一般的には家族でお墓参りに出かけることが多いようです。ただ故人にとって初めて迎えるお彼岸の供養は特に手厚く行います。
彼岸の入り前までにお仏壇、仏具をきれいにして花や供物を供え、できればお寺の住職を招いてお経をあげてもらいましょう。
お墓参りにも行きたいものです。お墓参りはマナーを守り、皆さんが気持ちよくお参りできるように心がけたいものです。
故人にとって初めて迎えるお彼岸の供養
お彼岸の中でも、故人が亡くなってから最初のお彼岸を「初彼岸」と呼びます。
仏教において「初彼岸」は故人が初めて極楽浄土である「彼岸」にたどり着く時期です。
宗派にもよりますが「初彼岸」の際には、「彼岸」の方角である西側へと沈む太陽に向かって拝む風習があります。
一方、神社では?
仏教では春分の日と秋分の日を中日(なかび)とする前後7日間を「お彼岸」とし、各寺院では法会が行われ多くの人がお墓参りをします。
一方、神社で「お彼岸」に相当するのが雑節のひとつ「社日」で、産土神(うぶすながみ)を祀る日としています。文字通り春は春社(はるしゃ)、秋は秋社(あきしゃ)で、春分の日、秋分の日に相当する「戊(つちのえ)」の日が社日です。
「戊」には「土」の意味があり、春は五穀の種を奉納して豊作を祈願し、秋は収穫した作物を供えて感謝するのが慣わしです。
ちなみに今年の秋社は9月22日です。
社日は古代中国に由来し、社とは土地の守護神、土地の神を意味します。ですから、この日に土をいじる、掘り起こすなどの行為を慎む風習もあるようです。
ご先祖様だけでなく、その土地の産土神(守護神)へ参拝してみてはいかがでしょう。