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編集長インタビュー

中央印刷(山形市) 社長 後藤 卓也さん

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後藤 卓也(ごとう・たくや)1961年(昭和36年)山形市生まれ。市立一小、同三中、山形南高を経て明大商学部に進み、卒業後に山一証券入社。3年後に帰郷、亡父の義樹氏が55年に創業した中央印刷へ。94年から社長。96年、昔懐かしいガリ版の印刷物などを集めた「山形謄写印刷資料館」を本社敷地内に開設、全国から注目を集めた。2021年からは印刷過程で生じる紙の切れ端(残紙)を工作セットなどに加工してネット販売する事業に乗り出すなど、ユニークな発想で知られる。63歳。

印刷業はモノづくりではなく
  思いや思い出を形にする仕事

――山形の中央印刷といえば、謄写(とうしゃ)印刷資料館で全国にも知られる存在で。

謄写印刷資料館を設立

 「謄写とは『ガリ版』のこと。ロウ原紙に鉄筆で〝ガリガリ〟と文字や絵を書き、インクをローラーで擦(す)り込んで下に敷いた紙に印刷するんですね。弊社も、父がガリ版で創業した『後藤タイプ印刷所』が前身です」

 「手軽で安い印刷方法として広く使われていたガリ版も、コピー機やパソコンなどの普及で1960年代以降は急速に下火に。世間の口の端にも上らなくなった96年、会長に退いていた父が唐突に『消えつつあるガリ版文化を後世に残したい』なんて言い出して」

――お父さん、思い入れがあったんだろうな。それで親子二人三脚で資料館を設立したと。

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