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山形大重粒子センター 放射線測定器を開発へ
有人月面探査計画に参加
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山形大医学部東日本重粒子センターは6日、米航空宇宙局(NASA)が主導する有人月面探査「アルテミス計画」の研究開発に宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに参加すると発表した。
アルテミス計画はアポロ計画以来、約半世紀ぶりに人類を月面に送り込む壮大なプロジェクト。同センターは、計画に基づいて建設する宇宙ステーションに搭載する放射線測定器の開発に取り組む。
宇宙には高エネルギーの放射線が飛び交い、飛行士の安全性向上のため高精度な放射線測定器の開発が課題。そこで、がん治療で重粒子のエネルギー量を600段階まで調節できる同センターの照射装置の〝実力〟が評価されたというわけ。
開発するのは月の周回軌道上に建造する有人拠点「ゲートウェイ」に搭載する3種類の放射線測定器で、日本人2名を含む飛行士の安全の一端を同センターが担うことになる。
岩井岳夫同センター長は「壮大なプロジェクトに参加できることは意義深い」と話している。