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特集

ご先祖様を敬い、感謝の気持ちを込めて 春のお彼岸特集

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春彼岸に関するエトセトラ

彼岸は春と秋

 彼岸には春彼岸と秋彼岸の2つがあります。それぞれ「春分の日」「秋分の日」を中日とし、前後3日合わせて7日間が彼岸。彼岸の初日が「彼岸の入り」、最終日が「彼岸の明け」です。お彼岸にお墓参りをするという文化は日本独自の風習です。

なぜお墓参り?

 太陽が真東から真西に沈む春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになります。このことから西方のはるか彼方にあるとされる悟りの世界(彼岸)と、東にあるとされる私たちのいる俗世(此岸(しがん))が最も近づく日とされ、この期間にお墓に向かい、先祖を供養すれば極楽浄土へ行けると考えられてきました。

彼岸の過ごし方

 お彼岸はご先祖様への供養を行うとともに、自分自身を見つめ直して精進するべき期間とされています。仏教には、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という現世に生きたまま彼岸に至るために行う6種の修行があり、お彼岸の期間が7日間あるのは、中日を除く前後3日間に六波羅蜜を1日ひとつずつ修めるためともいわれています。

 実践することはなかなか難しいかもしれませんが、お彼岸は普段の行いを振り返り、六波羅蜜を実践するためにふさわしい機会といえるでしょう。

彼岸の食事

 お彼岸の時期には、家庭での食事をはじめ、お仏壇やお墓参り時の来客に対するおもてなしなどでも、お彼岸ならではの食べ物を用意することが一般的です。

 一つ目は精進料理。殺生を禁じている仏教では、肉や魚を使用しない精進料理は、煩悩(ぼんのう)を刺激しないため良いとされています。野菜や豆腐など植物性の食材のみを使い、ごはん、漬物、汁物におかずが付くのが基本。

 二つ目は天ぷら。野菜やきのこの天ぷらは「精進揚げ」とも呼ばれる精進料理の一種です。春は菜の花やタラの芽、たけのこがおすすめ。

 三つめは赤飯。小豆の赤い色が厄除けや魔除けの色ということから、小豆を用いた赤飯もお彼岸で食べられます。

 それとは反対に避けるべき食べ物や食材もあります。仏教では一般的に殺生を禁じているため、「三厭(さんえん)」と呼ばれる獣・魚・鳥などの食べ物は食べない方が良いという考えがあります。

 また、香りが強い食べ物もタブーとされているため、「五葷(ごくん)」と呼ばれる、ニンニク・タマネギ・ネギ・ニラ・ラッキョウなども避けるべきとされています。

 ただ、五葷は仏教全体で避けられている食材ではないため、使用するか悩んだ場合はお世話になっているお寺などに相談してみると良いでしょう。

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