編集長インタビュー
片桐製作所 会長 片桐 久吉 氏
片桐 久吉(かたぎり・きゅうきち)1926年(大正15年)山形市生まれ。地元の中学を卒業後、旋盤技術を習得するため15歳で単身上京、軍需工場で働く。終戦の年に帰省、47年(昭和22年)片桐製作所を創業。ミシン部品製造を経て現在は自動車部品、精密研削砥石などを生産する年商41億円の優良企業に育て上げた。黄綬褒章受章、山形県産業賞受賞。83歳。
昨年が創業60周年
──昨年が創業60周年。人間だと還暦ですね。
「実家は先祖代々続く米屋。私は次男だったから、地元の中学を出て上京して、旋盤技術を習得したの。山形に戻って22歳の時に独立。親父は反対したんだけど、最後は『片桐製作所』の看板を書いてくれた。十日町の実家の12坪を借りて、旋盤2台で創業したの」
「農具なんかの機械修理から始めたんだけど、仕事がなくて。だけど、ちょっとしたきっかけでターレットっていう機械が導入できて、それが縁で2年後に原田製作所(現在のハッピー工業)の下請けでミシン部品を造るようになり、それでようやく息がつけるようになったのね」