野菜安を緊急調査
今年の冬は灯油が安いと思って喜んでいたら、全国的に野菜の値段も安いんですって。ダイコンなんて値段が下がりすぎて農家の人が悲鳴を上げ、産地で廃棄処分にする動きもあるんだとか。そんな野菜安の裏事情を探ってみました。
野菜流通の仕組み
手始めに勉強してみたのが野菜流通の仕組み。野菜流通のカナメになるのが「市場」の存在で、山形市の場合、公設の市場と私設の市場の2つがあることが分かりました。この市場に全国から野菜が集まり、市場から市内の小売店や量販店に野菜が送られていくというわけ。
ただイオンやヤマザワ、おーばんなど大きなスーパーになると仕入れは産地から直接というケースも多いそうです。
10月までは高値
仕組みを頭に入れたところで、さっそく調査開始。まず市場関係の人に話を聞いたところ、10月ごろまではむしろ「高騰」といっていいぐらいの状態が続いていたんですって。
原因は4~5月の天候不順や夏場の異常高温などで、トマトやキュウリの卸値は例年の20~30%高、カボチャは50~60%高、キャベツに至っては2倍以上にハネ上がることもあったんだとか。
生育が早まってる!
ムードがガラリと変わったのは11月以降。全国的に暖かい気候が続いたことで野菜の生育が早まり、どんどん収穫されて大量に出荷されるようになったことがきっかけだと分かりました。
特にダイコン、ハクサイ、レタス、ホウレンソウなどの値下がりが目立ち、それまでの上昇を帳消しにして例年の20~30%安の水準のようです。
需要減も原因
需要の落ち込みも影響しているんだとか。寒くなるとおでんや鍋物が恋しくなりますが、暖かいため今のところそんな盛り上がりもなし。需要と供給のバランスが崩れているんですね。
そんなこんなでダイコン産地では「育ちすぎて規格外になってしまった」「出荷しても利益がでない」と廃棄処分する農家もいるそうです。
先行きは「?」
では、これから年末に向けて価格がどうなるのかを関係者の方々に聞いてみたところ、皆さんの答えは一様に「?」。出荷が早まりすぎて逆に反動が生じる可能性もあるそうで、予断は許さないというのが結論のようでした。
野菜価格の次はお魚。正月料理に欠かせない魚介類の価格も調べてみました。
お魚は?
【カズノコ】 ロシアやカナダで親のニシンの不漁が続き、小売り価格は例年の10%高に。
【スジコ】 こちらは逆にアラスカでの紅サケの水揚げが順調で、価格は10%安か。
【タラバガニ】 70%がロシア産。ロシアで資源保護の動きが強まっており、1杯1万~1万5000円と20%高も。
【棒ダラ、カラカイ】 生産者が減り、供給不足から10%高。
【マグロ】 高値安定
【エビ】 軒並み安