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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》第186回 半郷清掃工場(山形市)

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 かつて山形市にあった半郷清掃工場の竣工は1978年。経年劣化により同地での建て替えが計画されたのは98年のことだった。

 この計画はしかし、周辺住民の反対で2005年に頓挫する。公募で決めた上山市楢下柏木での建設計画も10年に断念に追い込まれた。

 その後、紆余曲折を経て12年に新清掃工場問題は決着、建設地を上山市川口とすることでようやく落ち着いた。用地選定に着手してから14年が経過していた。

 この間、環境負荷の少ない処理方法も開発されていたのだが、代替地が決まるまでの間は旧式の炉を使わざるを得なかった。用地選定を巡る事業費や人件費、半郷工場を延命させるための整備費などを含めると、総額は20億円超にのぼったという。

 新清掃工場「エネルギー回収施設(川口)」が稼働を始めたのは18年。清掃工場につきまとうマイナスイメージを払拭するため、遊戯施設や足湯なども設けているのが特徴とされる。

 お役御免となった半郷清掃工場は20年に解体が始まり、現在は姿を消している。工場周辺の見事な桜並木も運命をともにするのか心配されたが、これまでのところは健在であるようだ。(F)

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