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相続の基礎知識

相続の基礎知識/(68)金(ゴールド)の相続

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 相続税は、亡くなった方(被相続人)から相続や遺贈(いぞう・遺言により遺産を特定の個人や団体に譲ること)によって財産を取得した際に課税される税金です。

 財産には、現金や預金や不動産はもちろんですが、金(ゴールド)などの貴金属や骨董品、美術品なども含まれることをお忘れなく。

 中でも、よく相談を受けるのが金。投資目的で保有している人も多い金ですが、市場価格の高騰により、思わぬ相続税が発生してしまうケースもあります。

 金は骨董品や美術品とは違い、相続税の評価額となる「市場価格」があり、毎日変動しています。最近の金の相場は1グラム=1万5千~1万6千円程度ですが、3年前は7千~8千円、10年前は4千~5千円。つまり、被相続人が生前に購入していた金の市場価格が2倍、3倍になっている可能性があるのです。

 ちなみに、相続税対策の裏技として話題となるのが「金でできた仏具や仏壇などの祭具」。確かに、日常の礼拝に使う祭具は非課税に間違いありませんが、「だったら、生前に純金の祭具を購入しておけば相続税を非課税にできるんでしょ?」と問われると、それは投資の対象とされ、財産として課税されます。

 また、「相続後にさっさと金を売ってしまったら?」という質問も受けることがありますが、売却した場合は譲渡所得が発生し、給与所得や事業所得等と合算して確定申告が必要になります。

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 なお、骨董品や美術品の相続税の評価額はどうなるかというと、「売買実例価格」から算定。市場に流通しているものであれば、その市場価格や買取業者の査定価格を、最近購入したものであれば、その購入価格をもって評価額にすることもあります。

 また希少性が高いものは「精通者意見価格」として古美術商や鑑定士などの専門家に鑑定してもらうこともあります。

鈴木僚税理士事務所 税理士

鈴木 僚(すずき りょう)

1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。

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