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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》第149回 臥龍橋(寒河江市)

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 かつて出羽三山に巡礼者が大勢押し寄せていたころ、庄内と内陸を結ぶ六十里越街道の寒河江川渡河地として白岩地区に架けられたのが臥龍橋であった。

《セピア色の風景帖》第149回 臥龍橋(寒河江市)

 最初は200メートルほど上流に架橋され、幾度にもわたる流失と架け替え期間の渡し舟による往来を繰り返した後、江戸時代後期の1827年に現在地に完成した。
 急流である寒河江川では、通常の工法では増水のたびに橋脚が流されてしまう可能性があるため、両岸に差し込んだ木材を支えにして橋脚を設置しない「刎橋(はねばし)工法」が用いられた。年間3万人前後の通行に役立っていたとの記録があるようだ。

《セピア色の風景帖》第149回 臥龍橋(寒河江市)

 過去に4度架け直され、先代までは木造だったが、昭和12年に完成した現在の橋は鉄筋コンクリートアーチで、80年以上の歴史の過程で数度の補修が施されている。
 橋の北側は岩の間に飛び込むような特殊な形になっている。この橋は、日本百名橋に県から唯一選定されていることを付記しておく。(F)

《セピア色の風景帖》第149回 臥龍橋(寒河江市)

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