セピア色の風景帖
《セピア色の風景帖》 第134回 大中島小学校
庄内町に大中島という部落がある。平成17年の合併前には立川町に属し、さらにさかのぼれば昭和29年の合併時以前は立谷沢村の一部だった。
合併の度に所属自治体の中心地から離れ、廃れていくという寒村の典型例をたどっている。そんな大中島のシンボルは大中島小学校だった。
同校はもとは立谷沢小の分校だったが、昭和30年に本校から独立した。
児童だけでなく住民が学校と関りを持ち、地域ぐるみで子どもたちを育てる――今は見られないそんな光景が同校では日常のことだったろう。
平成2年に鉄筋校舎に建て替えられたが、平成13年に廃校に。建物は「自然ふれあい館」として残されることになったが、地域の子どもたちははるか遠い立川小学校に通学している。