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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》 第109回 新庄市中央公民館

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 会議室、ホール、展覧会場、図書館などを備えていた新庄市中央公民館は、新庄市のみならず最上地区の文化拠点として多くの講演会や展覧会などに活用されていた。

《セピア色の風景帖》 第109回 新庄市中央公民館

 周辺には古い木造の最上地方事務所、労働会館などもあり、人の集まるゾーンでもあった。そのため、周辺の一葉本店、三京飯店、洋食キムラ、台湾商会、山口写真館などの各店も繁盛していた。

 だが当時5万に及ぶ人口を抱え、市内に4つもの映画館を持つ市としては、館内にあった図書館はあまりに貧弱で、さながら西日の当たる古本屋のようであった。
 末期には雨の日の展覧会場には雨漏り受けのバケツが並ぶありさまで、最上文化の中心としての役割を担うには限界が感じられるようになっていた。

《セピア色の風景帖》 第109回 新庄市中央公民館

 市としてもそのあたりはわかっていたのだろう。昭和63年に図書館を分離して新設し、翌平成元年には最上地方事務所の土地を併合し、中央公民館は「新庄市民プラザ」としてリニューアルされたのであった。 (F)  

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