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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》 第103回 Vigo FM

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 平成4年の東北芸工大開校に合わせ、国道13号から同大に向かうルートとして整備された「青春通り」には個性的な店が競いあって出店、活気を呈していた。

《セピア色の風景帖》 第103回 Vigo FM

 喫茶店ながら食事メニューも充実していた「黄色いからす」、洗面器のような大きなボールでかき氷を出してくれた「高原」、甘辛いカツ丼が人気の「三州屋」、珍しい沖縄そば専門店「いなり」、本格的洋食屋の「キッチンエコー」…。

 14年にはFM放送局「Vigo(ビーゴ)FM」も開局した。
 ビーゴFMは既存のNHKFMやエフエム山形などと差別化を図り、若者をターゲットにしたビジネスモデルを描いていたようだった。
 外注の番組は途中から始まったり途中で終わったりと、結構ゆるい構成になることがあり、それもまたミニFM局らしくて面白かった。

 だが、ラジオの前に座る若者が次第に減り、代わりにパソコン、スマートフォンを操ることが主流になると、音楽はリクエストするものではなくダウンロードして聴くものになってしまった。
 そうした時代の波に押されるように28年夏、Vigo FMは放送を終了した。 (F)

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