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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》 第七十九回 山形市立東小学校旧校舎

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 山形市泉町にある市立東小学校の現在の校舎は平成23年12月の竣工。それ以前の旧校舎がかつては市立第四中学校として使われていたことを知る人は少ない。

《セピア色の風景帖》 第七十九回 山形市立東小学校旧校舎

 旧校舎が建設されたのは昭和22年だが、10年後の32年に台風により倒壊し、34年に再建された。55年まで四中として使われた後、翌56年から新設された東小として使われるようになった。四中は泉町に隣接する花楯に移転した。
 東小は四中の“おさがり”の校舎で設立されたわけで、こんな例は全国的にも稀だったのではないだろうか。

 ただ当時は四中学区で人口が急増し、市としても対応を迫られていた経緯があり、小中の教育の場を確保するという問題を同時に解決する妙案だったのかも知れない。

 校舎は外壁はモルタル、内部は木材という当時のごく標準的な仕様で、遠目にみると、あの時代の暖房方式を反映して多くの煙突が立ち並んでいた。さすがに近年は老朽化が目立ち、耐震の観点からも全面改築が急がれることになった。

 改築工事は事業費約15億円をかけて平成21年にスタート、東小は23年3月11日の東日本大震災を旧校舎で経験してから新校舎に移った。 (F)

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