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セピア色の風景帖

《セピア色の風景帖》 第三十六回 ボウリング場

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 最近、テレビ番組で山形出身のプロボウラーが脚光を浴びるなど、全国的にボウリング人気が復活しているようだ。

《セピア色の風景帖》 第三十六回 ボウリング場

 1970年代に最初にブームが訪れた時、県内各地でもボウリング場が相次ぎ建設され、山形市内では特に国道13号沿いに次々と誕生した。平清水の「東武ボウル」、東青田の「ローズボウル」、「ゴールデンボウル」などなど。
 ブーム最盛期には72レーンもあった施設でも1時間待ちなどということもザラにあったが、にわかボウリングファンは順番待ちを従容(しょうよう)として受け入れた。ボウリング場の方もプレー待機組にゲームセンターや軽食・喫茶などを提供する場を備えるのが常だった。
 ただ、熱しやすく冷めやすいのが日本人の性(さが)。ほどなくブームは下火になり、各ボウリング場の経営は悪化。維持費の大きい大規模なところから営業を停止していった。
 山形でも建物は展示ホールやパチンコホールなどに転用されたり、取り壊されたりした。上山家町にある現在のヤマザワバイパス店も元はボウリング場だったはずだ。
 当時、消滅するかに思えたボウリング場が、それでも今の時代まで生きながらえているのは一定の需要があるということなのだろう。筆者も年に1〜2度、ピンとボールのぶつかる硬い音を聞きに行きたくなる。 (F)

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