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相続の基礎知識

相続の基礎知識/(40)路線価よもやま話

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 ご存知かと思いますが、仙台国税局が3日に山形県内の2023年度分(1月1日時点)「路線価」を発表しました。そもそも路線価とは何なのでしょうか。

相続税の算定基準

 路線価とは、相続税を計算する時に用いる土地の評価額のことです。道路に面した1平方メートル当たりの金額で表わされ、路線価に土地の面積をかけた額がその土地の「相続税評価額」になります。
 路線価は国土交通省が発表する1月1日時点の「公示価格」の約80%の金額になっています。

県内最高は山形市香澄町

 もちろん路線価の調査対象は全国すべての地点ではなく、主要な市街地や地域に限られます。県内では南陽市を除く10市の一部の地点です。
 県内の路線価の最高額は49年連続で山形市香澄町1丁目の山形駅前大通りで17万5000円。

家屋は固定資産税評価額

 では家屋の評価はどのように決まるのでしょうか?基本的には固定資産税評価額が相続税評価額となります。土地と建物を所有している場合、土地の相続税評価額と家屋の固定資産税評価額を足した額が課税対象になります。
 ただ、ここで問題になってくるのがタワーマンションの場合です。

「タワマン節税」

「タワマン節税」

 タワーマンションは敷地面積を所有者が区分所有するため、戸数が多くなるほど土地の所有割合が小さくなり、結果的に土地の相続税評価額が低くなります。
 市場価格は高層階は低層階よりも高くなりますが、固定資産税評価額は階層によっての差がなく、一律になっています。この評価額の低さに着目した富裕層が節税対策で高層階を購入しているとして一部で批判も出ています。
        ◇
 このため国税庁も評価額のあり方を見直す方針を決めており、2024年度から適用される見通しです。

鈴木僚税理士事務所 税理士

鈴木 僚(すずき りょう)

1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。

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