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相続の基礎知識

相続の基礎知識/(23)配偶者居住権

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 2018年に民法が40年ぶりに大改正され、新たに「配偶者居住権」という制度が創設されたのをご存じですか?

20年4月から施行

 配偶者居住権とは、夫婦の一方が亡くなった時、残された配偶者が遺産となった自宅に生涯住み続けられる権利のことで、同制度は20年4月から施行されています。

所有権と居住権を分離

 なぜ同制度ができたかといえば、それまでは故人が所有していた自宅に配偶者がそのまま住み続けるには、一般には配偶者が自宅の所有権を相続する必要がありました。
 ただ自宅の預金評価額が高額になると、遺産分割を巡って親子でトラブルが生じ、自宅を売却せざるを得ないといった事例や、預金など自宅以外の相続分が減ってしまい、相続後の生活費に支障をきたすといった事例が絶えませんでした。
 そこで自宅の「居住権」を法的に認め、その評価額を「居住権」と「所有権」で分けることで相続分の取り分が増やせるようにしたのです。

登記が必要

 配偶者居住権が認められるには要件があります。①被相続人の配偶者であること②配偶者が被相続人の所有する建物に居住していたこと③遺産分割などによりその建物を取得したこと――などです。
 配偶者居住権は配偶者と子どもが法務局で登記をする必要があります。登記しないと配偶者は子ども以外の第三者に権利を主張できなくなるのでご注意ください。

節税効果も

 配偶者居住権を取得すると相続税の節税にもつながります。居住権は配偶者の保護を目的としているため、残された配偶者が亡くなった時(2次相続)は配偶者居住権も消滅します。消滅すれば必然的に権利の継承は不可能になり、相続税の計算上、課税されないことになります。

鈴木僚税理士事務所 税理士

鈴木 僚(すずき りょう)

1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。

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