相続の基礎知識
相続の基礎知識/(11)死亡保険金
「自身に万一のことがあったら」と考えて生命保険に入っている人も多いことでしょう。では、死亡保険金に相続税はかかるのでしょうか?
非課税枠があります
結論から言えば、保険金は遺産分割の対象には含まれず、「受取人」は法定相続分や遺留分などとは別枠で保険金を受け取れますが、税務上は相続税がかかります。
ただ、遺族の生活を守るために「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が設けられていて、この範囲内なら相続税はかかりません。
会社に籍がある状態で亡くなった場合は、会社から相続人に死亡退職金が支給されることもありますが、このケースも同様です。
妻と子ども2人なら
例えば、残されたのが妻と2人の子どもだった場合、非課税枠は1500万円になります。仮に保険金を受け取ったのが妻だけだったとしても、1500万円分が差し引けます。
5000万円の保険金を受け取ったとすると、課税対象は3500万円ということになります。
妻や子が被保険者なら
以上は、亡くなった人が自分に保険をかけていた場合ですが、妻や子どもを被保険者として保険をかけていた場合はどうでしょう。
その場合は、まだ死亡保険は発生しませんが、保険契約そのものを相続人が引き継ぐことになり、これまでかけてきた保険料をベースに相続税が課税されます。非課税枠はありません。
遺族に支払われる年金
親族が亡くなり、厚生年金や国民年金などの遺族年金を相続人が受給した場合は相続税は課税されません。
ただ亡くなった人が民間の個人年金や企業年金を受給していて、それが亡くなったあとも続く場合は一定の計算のもとで相続税の課税の対象になります。
鈴木僚税理士事務所 税理士
鈴木 僚(すずき りょう)
1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。